
通所介護の個別機能訓練加算(Ⅱ)として「カラオケができるようになる」など趣味活動の内容を設定することについては、法令に沿って解釈すれば算定要件を満たせるのですが、実地指導にあたる担当者によっては、介護保険で「娯楽」を支援するということに極端に否定的な反応をする方もいます。
趣味活動でも個別機能訓練加算の目的と生活課題の根拠を
カラオケについて個別機能訓練加算の目標やプログラムとして設定するとしたら、「意欲向上」や「カラオケが好きなので…」という文言ではNGのケースが多いと思います。カラオケができることがその人の生活自立や満足、デイに通所するための「足掛かりになる」ことだという考え方だと、ちょっと加算2の趣旨と変わってきます。
関連記事 通所介護・デイサービス 個別機能訓練加算(Ⅱ) 56単位の算定要件
無理して個別機能訓練加算(Ⅱ)にせず施設サービスでもよい
カラオケは通所介護で提供するレクなどのサービスと同列に位置付けして、個別機能訓練加算の目標やプログラムとしては別の内容にして進めた方がベターです。
個別機能訓練加算含め、現在も介護保険事業の実地指導では地域差があるため、厳しめの指導を受ける可能性もあります。どうしてもカラオケの目標で個別機能訓練加算を算定したい場合には、保険者の介護保険課に確認するとよいかもしれません。
カラオケで個別機能訓練加算を算定するときの実地指導対策
個別機能訓練加算は実地指導で厳しくチェックされる項目のひとつです。介護事業者は数年に1回ある「実地指導」というイベントにヒヤヒヤしていますが、普通に心配なことなどは指導を受けるために、区市町村の介護保険事業者指導担当に質問することをおすすめします。ケースについての背景やケアマネの方針、生活状況などを伝え、その上でカラオケより生活上の優先度が高いものがないなど、悩んでいることを相談すればよりよい方法や、他施設の事例などを交えて教えてくれます。カラオケ以外何も受け入れてくれないなどの理由をつけないと少し難しいかもしれませんが、その保険者(自治体)の指導方針的なところを聞いておくと、現場との温度感や考え方との差の有無が分かりやすくなります。
通所介護のレクとしてのカラオケの提供と機能訓練を分ける方法も
実地指導のことを考えすぎると実際にご利用者への支援の幅が狭まり、時間もとられてしまうので早いうちに相談してしまったほうが安心してご利用者のための支援ができますよ。
加算の対象としてカラオケをせず、サービスの一部として提供し、その他の例えば着替えやトイレへの移動などを加算の対象とするなどの調整が現実的かもしれないと思いました。
参考になれば幸いです。