ファンクショナルリーチテスト(機能的上肢到達検査) 運動器の機能・体力測定

ファンクショナルリーチテスト(機能的上肢到達検査) 運動器の機能・体力測定

ファンクショナルリーチテスト(機能的上肢到達検査) は、動きながらバランスを保つ能力を測定するテスト方法で、高齢者・要支援・要介護の方の運動器の機能の状況を客観的に把握するためによく取り組まれる測定項目です。全身の筋力の状況や生活機能との関連性も深いと言われています。

ファンクショナルリーチテストの目的

ファンクショナルリーチテストは、機能的上肢到達検査やFRTとも呼ばれるバランスを保つ能力を評価するテスト方法です。前方へリーチできる最大距離を測ることで、両足の支持基底面内でどれだけの姿勢でバランスを保てるかを図り、転倒予測などに役立てられます。

ファンクショナルリーチテストの準備品

  • 壁面、測定に有効な壁面がない場合にはホワイトボードとマーカー
  • ビニールテープ
  • 付箋
  • メジャー

ファンクショナルリーチテストの検査方法

  1. 床に壁と垂直になるようにビニールテープを張り、開始線を設定します。
  2. 開始線に両足のつま先を合わせて壁に向かって横向きに立ち、両足は少し開き安定した基本姿勢(肩峰-大転子-外果を結ぶ線が一直線で床に対して垂直)を作ります。
  3. 受診者は、基本姿勢を崩さずに手を軽く握り両腕を90度挙上し、肩の高さまであげます。その際に体幹が回旋しないよう(ひねらないよう)に注意しましょう。
  4. 肩の高さに挙げた拳のMP関節(中手指節)の地点を付箋でマークし、もう一方の手は大腿に着けておきます。
  5. 拳を同じ高さに保ちながら、足を動かさず出来るだけ前方へ手を伸ばし、最遠地点をマークします。この際、踵が浮いてもつま先立ちになっても良いですが、足が動いてしまったり、壁に手をついて支えた場合にはやり直しです。体は捻っても良いです。
  6. その後、開始姿勢の直立に戻ります。開始姿勢に戻れない場合にはやり直しとなります。
  7. 2 度測定を行います。
  8. 1 回目は「手を同じ高さに保ったまま出来るだけ遠くに伸ばし、元の姿勢に戻ってください」に統一してください。
  9. 2 回目は「もう少しがんばりましょう」と声掛けを行い実施します。
  10. マーク間の水平距離をメジャー等で測定し、小数点第一位(mm)まで記録します。
ファンクショナルリーチテストの検査方法

ファンクショナルリーチテストの注意点

・壁により掛かる、前に踏み出す、元の状態に戻れないなどの場合には再度測定となります。
・補助者を配置し、安全を確保して実施しましょう。
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この記事を書いた人

管理人

機能訓練指導員ネットワーク代表、介護保険分野の機能訓練を解説しています。