体力測定の握力の測定方法について紹介します。高齢者・要支援・要介護の方の運動器の機能の状況を客観的に把握するために体力測定は有効で、よく取り組まれる測定項目に「握力」があります。握る力を測定しますが、全身の筋力の状況や生活機能との関連性も深いと言われています。
握力測定の意味・意義
筋力は生活上の様々な動作遂行に欠かせないものです。筋力低下は生活機能の低下に直結しています。下肢筋力は立位保持や歩行能力と影響することはわかりやすいですが、握力についても単に握る力を測るだけでなく、全身の筋力との関係性が深いことが示されています。筋力が落ちている状態だと、加齢にともなって生活範囲が狭くなり生活機能が低下していることを反映する指標になると考えられています。
握力測定のために準備するもの
握力の測定手順
両足を肩幅程度に開いて安定した立位姿勢をとり、両腕は自然に下へたらします。
握りは示指の近位指節間関節(人差し指の第 2 関節)がほぼ垂直に曲がるように握り幅を調節します。
握力計の指針を外側にして、体に触れないように軽く肩を外転位にし、力一杯握ってもらいます。
利き手(又は力の出しやすい方)を 2 回測定し、小数点以下を四捨五入し整数で記入します。
握力測定のときの声かけ・指示方法
・1 回目の測定は「握力計が体に触れないように力一杯握ってみましょう」に統一します。
・2 回目の測定は「もう少しがんばってみましょう」と声かけを行います。
握力測定の注意点
測定の際には、握力計が体や衣服に触れたまま握ったり反対の手で押さえたり、握力計を振ったりしないように注意しましょう。
特に血圧が高めの受診者には、息を止めないように注意しましょう。
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