運動器機能向上加算で必要な業務として、事前アセスメント、目標設定(長期目標・短期目標)、運動器機能向上計画書の作成・内容、サービスの提供、1月間ごとのモニタリング、事後アセスメントと地域包括支援センター等への報告について紹介します。
運動器機能向上加算とは
運動器機能向上加算とは、要支援・事業対象者を対象とした総合事業の通所型サービスにおいて、必要な人員配置、手続きを行い計画的に運動器機能向上サービスを提供した場合に算定することができる加算です。
運動器機能向上サービスを提供する目的は、当該サービスを通じて要支援者などができる限り要介護状態等にならず自立した日常生活を営むことができるよう支援することです。
運動器機能向上加算の人員配置
運動器機能向上加算を算定する場合の人員配置としては、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師(はり師及びきゅう師については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上勤務し、機能訓練指導に従事した経験を有する者に限る。)(以下「理学療法士等」という。)を1名以上配置して行うものであることとされています。
運動器機能向上加算で必要な業務
運動器機能向上加算(運動器機能向上サービス)では、以下に掲げるとおり実施することとされています。
事前アセスメント
利用者ごとに看護職員等の医療従事者による運動器機能向上サービスの実施に当たってのリスク評価、体力測定等を実施し、サービスの提供に際して考慮すべきリスク、利用者のニーズ及び運動器の機能の状況を、利用開始時に把握すること。
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目標設定(長期目標・短期目標)
理学療法士等が、暫定的に、利用者ごとのニーズを実現するためのおおむね3月程度で達成可能な目標(以下「長期目標」という。)及び長期目標を達成するためのおおむね1月程度で達成可能な目標(以下「短期目標」という。)を設定すること。
長期目標及び短期目標については、地域包括支援センター等において作成された当該利用者に係るケアプラン等と整合が図れたものとすること。
運動器機能向上計画書の作成・内容
利用者に係る長期目標及び短期目標を踏まえ、理学療法士等、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、当該利用者ごとに、実施する運動の種類、実施期間、実施頻度、1回当たりの実施時間、実施形態等を記載した運動器機能向上計画を作成すること。
その際、実施期間については、運動の種類によって異なるものの、おおむね3月間程度とすること。また、作成した運動器機能向上計画については、運動器機能向上サービスの提供による効果、リスク、緊急時の対応等と併せて、当該運動器機能向上計画の対象となる利用者に分かりやすい形で説明し、その同意を得ること。なお、通所型サービスにおいては、運動器機能向上計画に相当する内容を通所型サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって運動器機能向上計画の作成に代えることができるものとすること。
運動器機能向上サービスの提供
運動器機能向上計画に基づき、利用者ごとに運動器機能向上サービスを提供すること。その際、提供する運動器機能向上サービスについては、国内外の文献等において介護予防の観点からの有効性が確認されている等の適切なものとすること。また、運動器機能向上計画に実施上の問題点(運動の種類の変更の必要性、実施頻度の変更の必要性等)があれば直ちに当該計画を修正すること。
おおむね1月間ごとにモニタリング
利用者の短期目標に応じて、おおむね1月間ごとに、利用者の当該短期目標の達成度と客観的な運動器の機能の状況についてモニタリングを行うとともに、必要に応じて、運動器機能向上計画の修正を行うこと。
事後アセスメントと地域包括支援センター等への報告
運動器機能向上計画に定める実施期間終了後に、利用者ごとに、長期目標の達成度及び運動器の機能の状況について、事後アセスメントを実施し、その結果を当該利用者に係る地域包括支援センター等に報告すること。
地域包括支援センター等による当該報告も踏まえた介護予防ケアマネジメントの結果、運動器機能向上サービスの継続が必要であるとの判断がなされる場合については、前記アからカまでの流れにより、継続的に運動器機能向上サービスを提供する。