機能訓練指導員の時間が少ない場合に効率的かつ効果的に実施する方法

機能訓練指導員の時間が少ない場合に効率的かつ効果的に実施する方法

2021年4月の介護報酬改定以降に個別機能訓練加算を算定したいという事業所の中で人員面のことを考える時、機能訓練指導員の配置時間が短く、限られた時間の中でどのようにスケジュールを組んで沢山の利用者に対して個別機能訓練を提供し加算の算定をしたらよいか悩むことがあると思います。個別機能訓練加算で時間を削減しつつも効果を出す方法を具体例を挙げて2通り紹介します。

2021年4月以降の個別機能訓練加算の前提条件

個別機能訓練加算として実施する場合には、実施者は機能訓練指導員に限られています。

個別機能訓練計画書で計画した内容に関しては、実施項目の実施全てに必ず看護師(機能訓練指導員)がかかわる必要があります。

介護職員の補助に入ることはできますが、メインの実施者は機能訓練指導員でないと不適切と判断されてしまう可能性があります。

実際は介護職員が関わっている事業所も多くあると思いますが、記録上実施者は機能訓練指導員にしているということが多いのではないかと思います。

フロアー歩行をすることなどについては、個別機能訓練計画書には記載せずに、加算算定対象ではない通所介護の標準サービスとして皆さんに提供する形ならば特に実施者の縛りはありません。

機能訓練計画書に歩行練習と記載している場合には機能訓練指導員が直接行う対象になってしまいます。

個別機能訓練加算では機能訓練指導員が直接行わなくてはならないという根拠

機能訓練指導員が直接行わなくてはならないという根拠についてですが、こちらが厚生労働省が発出している詳細です。

「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」

31ページ~ 第3 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について

36ページ「個別機能訓練加算に係る個別機能訓練は、類似の目標を持ち、同様の訓練項目を選択した5人程度以下の小集団(個別対応含む)に対して機能訓練指導員が直接行うこととする。」と示されており、この「機能訓練指導員が直接行う」というところが機能訓練指導員が関わっていないといけない根拠です。

実際ご利用者が元気になるためには目標を明確にすることと、必要なところはちゃんと個別のフォローをすること、ある程度の時間を確保することが求められると思います。

個別機能訓練加算で時間を削減しつつも効果を出す方法

現実的な対処方法の案を2つお伝えします。

①歩行訓練やマシントレーニングの時間などを個別機能訓練計画書に記載しない

フロアでの歩行の時間やマシントレーニングの時間を確保するのは大切だと思いますので、この部分に関してはあえて個別機能訓練計画書には記載せず、個別に関われるADLやIADに関わる訓練内容のみを計画書に記載しておくという方法があります。

個別機能訓練計画書に記載してしまうと個別に機能訓練指導員が直接実施していないとならない事項になりますが、計画書に記載していない内容は誰が実施しても特に問題がないです。

② 

類似の目標を持ち同様の訓練項目を選択した利用者については5名以下の小集団で実施することが可能です。

類似の目標を持ち同様の訓練項目を選択の具体例(1)

個別機能訓練の目標 実施内容
Aさん トイレまでの廊下を安全に移動する 下肢の筋力増強、生活環境に合わせた屋内での歩行練習
Bさん ベッドと食卓間を安心して歩けるようになる 下肢の筋力増強、生活環境に合わせた屋内での歩行練習
Cさん
ベットからトイレまでを安心して歩けるようになる 下肢の筋力増強、生活環境に合わせた屋内での歩行練習

この場合、Aさん、Bさん、Cさんは類似の目標、同様の訓練項目なので、機能訓練指導員1名が同じ時間に3名に提供できます。この際に介護職員に補助に入ってもらうことも可能です(記録上の実施者は機能訓練指導員)

類似の目標を持ち同様の訓練項目を選択の具体例(2)

個別機能訓練の目標 実施内容
Dさん 玄関の上がり框の段差を安全に昇降できるようになる 下肢の筋力増強、生活環境に合わせた段差昇降練習、歩行練習
Eさん 門にある段差を安全に上り下りできるようになる 下肢の筋力増強、生活環境に合わせた段差昇降練習、歩行練習
Fさん 段差がある庭を杖をスムーズに使い移動できるようなる 下肢の筋力増強、生活環境に合わせた段差昇降練習、歩行練習

Dさん、Eさん、Fさんは類似の目標、同様の訓練項目なので、機能訓練指導員1名が同じ時間に3名提供可能です。この際に介護職員に補助に入ってもらうことも可能です。(記録上の実施者は機能訓練指導員)

 

①の方法と②の方法を紹介しました。

①の方法は計画書上はボリューム少なく見えますが、加算算定要件の制約を受けずに提供できるので、人員面・内容面の自由度が高いです。

②の方法は、現在の個別機能訓練加算の要件で求められているスタンダードな形だと思います。

 

どのようなサービス提供の方法が良いか迷いますが、本来は良いサービスを提供するための条件として提示されている算定要件が、良いサービスの提供するためのネックになってしまっているというのもなかなかもどかしいところですね。

この記事を書いた人

管理人

機能訓練指導員ネットワーク代表、介護保険分野の機能訓練を解説しています。