個別機能訓練加算(Ⅱ)の具体的な訓練内容・プログラムはどんな内容に設定したら良いか、福岡市の提示した考え方・具体例を紹介します。
個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件についてはいろいろな場所で説明や解説が行われていますが、実地指導等で算定誤りが多く見受けられているそうです。
厚生労働省の個別機能訓練加算(Ⅱ)の訓練内容の例
食事を目標に設定した場合の訓練内容例
例えば、「自宅でご飯を食べたい」という目標を設定した場合の訓練内容は以下のようになります。
- 配膳等の準備
- 箸(スプーン、フォーク)使い
- 下膳等の後始末 など
- 食事に関する一連の行為の全部または一部を実践的かつ反復的に行う訓練
などが想定されます。
引用:平成24年度介護報酬改定に関する関係 Q&A(平成24年3月16日)問66
入浴目標に設定した場合の訓練内容例
例えば、「1人で入浴する」という目標を設定する場合、訓練内容については以下のような内容になります。
- 浴室への安全な移動
- 着脱衣
- 湯はり(温度調節)
- 浴槽への安全な移動
- 洗体
- 洗髪
- すすぎ などに関する一連の行為の全部または一部を実践的かつ反復的に行う訓練
が想定され、その方法としては利用者個々の状況に応じて事業所内の浴室設備を用いるなど実践的な訓練反復的に行うこととなる。
引用: 平成24年度介護報酬改定に関する関係 Q&A(平成24年3月30日)問13
福岡市の個別機能訓練加算(Ⅱ)の訓練内容の例
以下は、「個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件に係る具体的例示,Q&A,自主点検について(通知)、福岡市保健福祉局高齢社会部高齢者サービス支援課長, 平成27年10月7日」で福岡市が通知した内容を参考にしています。
トイレを目標に設定した場合の訓練内容例
例えば「1人でトイレに行く」という目標を設定する場合、訓練内容については以下のような内容になります。
- トイレへの安全な移動
- ドアを開ける
- 着脱衣
- 排尿(便)行為
- 後始末
- 手洗い
- ドアを閉める等の一連の行為の全部又は一部を実践的かつ反復的に行う訓練が想定される。
買物を目標に設定した場合の訓練内容例
例えば、「1人で買物に行く」という目標を設定する場合、訓練内容については以下のような内容になります。
- 店の安全な移動
- カゴを持ち商品を選ぶ・取る
- 支払いをする
- 商品を袋に入れる
- 商品をもって自宅へ帰るといった一連の行為の全部または一部を実践的かつ反復的に行うこととなる。
掃除を目標に設定した場合の訓練内容例
例えば、「掃除をする」 という目標を設定する場合、訓練内容については以下のような内容になります。
- 掃除道具の準備
- 掃除機をかける
- 箒ではわく
- 雑巾をしぼり拭く
- 掃除道具の後片付けといった一連の行為の全部または一部を実践的かつ反復的に行うこととなる。
調理を目標に設定した場合の訓練内容例
例えば、「調理をする」という目標を設定する場合の訓練内容は、調理道具の準備、食材を洗う、切る等の下ごしらえ、煮る・焼く等の調理、食器へ盛る、調理道具等の後片付けといった一連の行為の全部または一部を実践的かつ反復的に行うこととなる。
洗濯を目標に設定した場合の訓練内容例
例えば、「洗濯をする」 という目標を設定する場合、訓練内容については以下のような内容になります。
- 洗濯物を洗濯カゴから洗濯機へ入れる
- 洗剤等をいれ洗濯機のスイッチを入れる
- 洗濯物をカゴに移す
- ベランダへ持っていく
- 洗濯物を干す
- 取り込む
- たたむ
- 直すといった一連の行為の全部または一部を実践的かつ反復的に行うこととなる。
個別機能訓練加算には(Ⅰ)と(Ⅱ)がありますが、長期目標・短期目標・プログラムの内容が難しいのは加算Ⅱの方です。 基本的な個別機能訓練加算(Ⅱ) の算定要件に定められている目標や訓練内容の考え方は以下の記事で。